黒澤明の集大成「乱」　仲代達矢演じる秀虎は黒澤自身である！

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黒澤明のライフワーク

シェイク・スピアの「リア王」を下敷きに、老城主と3人の息子たちの愛憎渦巻く争いを描いた戦国スペクタクル。

黒澤はこの作品を自分の「ライフワーク」と位置づけ、また「人類への遺言」でもあるとしている。

仲代達也演じる主人公の一文字秀虎は、黒澤自身を色濃く反映させたキャラクター設定であると、本人が語っている。

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黒澤様式美の完成系

企画自体は70年代に立てられ｢影武者」のロケハン時にはすでに準備も進められていたという。
しかし、内容が内容だけに製作資金が莫大となり、日本の映画会社は尻込みをしてしまい、現実が危ぶまれていた。

ところがフランスのプロデューサーのセルジュ・シルベルマンが援助をしてくれることになり、ようやく製作に漕ぎつける。

巨大な城のセット、色彩豊かな衣装、美しい画面構図など、黒澤映画の様式美はこの作品で頂点を極めたと言って差し支えないだろう。

城が燃える中、主人公が出てくるシーンでは「こけたら4億円はパァーだよ」と仲代は言われたという。

嵐のシーンは本当の台風を待って撮影されており、台風が来なければ来年まで持ち越しだったという。、

「どですかでん」でお笑いタレントの三波伸介を使ったように、本作品では植木等を絶妙な配役で出演させている。

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約4億円のセットを燃やしての一発撮影

黒澤は仲代に「今回は本当に狂人になってくれと。狂人のフリではなく、本当に狂ってくれ」と要求。

メイクは4時間をかけて完成、黒澤の妥協のない演出要求に仲代は腹をくくる。

あと5秒出てくるのが遅れたら撮影を中止して助けに入るところだったという。

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あらすじ

戦国時代のとある地方、武将一文字秀虎は、隣国の領主を招いた巻狩りの日、自身は隠居すると表明する。

彼は3人の息子に対し、「1本の矢では折れるが、3本束ねると折れぬ」と説き、これからは3人助け合いながら一文字家を守り、繁栄させるようにと説いた。

長男の太郎と次男の次郎は父のこの申し出を受け取る。しかし三男の三郎は父に刃向かい、三郎とそれを庇う重臣の平山丹後を追放したのであったが…

ウィキペディア　フリー百科事典「黒澤明」より引用
河出書房新社発行　「黒澤明　生誕100年総特集」より引用
脚注
※1 文藝春秋発行　小林信彦著書　「黒澤明という時代」より抜粋
※2 やのまん発行　塩澤幸登著書　「黒澤明　大好き！」より抜粋
※3 毎日新聞社発行　堀川弘通著書　「評伝　黒澤明」より抜粋
※4 河出書房新社発行　「黒澤明　生誕100年総特集」より抜粋
※5 文藝春秋発行　田草川弘著書　「黒澤明VSハリウッド　トラ・トラ・トラ！その謎のすべて」より抜粋

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