ラストのセリフがあるがゆえに、北野武監督『キッズリターン』は永遠の青春映画の傑作になりました!

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日本史上の残る青春映画の傑作

事故から復帰した北野武のい復帰第1作目。

 

それまでの難解なキタノ映画ではなく、分かりやすい内容のストーリーであり、興行的にも成功を収めた。

 

主演の金子賢と安藤政信の演技が素晴らしい。

 

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各サイトレビューまとめ

Yahoo!映画 4.38点

北野武.キッズリターン 評価件数 746件

 

・性格的には正反対なのであるが、どういうわけかいつも一緒にいる。
・武のリアルで皮肉な人生観が見事に反映された傑作裏青春ムービー。
・エンディングをポジティブに捉えている人多いな〜。
・この二人のエンディングを観るために何度も見直してます。
・まーちゃんのいるいる感
・個人的には中華料理屋の息子、カズオの描き方が絶妙だと思いました
・日本映画史上最高の男映画
・青春映画の傑作!たけし映画で一番好き!
・主人公2人のセリフ!若者へ向けてのたけしからの強烈なメッセージ!
・北野映画は難しくてよく分からないものが多いというイメージだったんだけど、これは違ったかも。
・淡々としてるけど、その視線は優しい。

 

映画.com 3.9点

北野武.キッズリターン 717人

 

・いい青春映画でした。
・虚無の陽射し
・独特なセンスながら映像美、音楽性、演技力含めて満点です。
・私にはあれほど残酷な最後はないように思えた。
・夢を追っていくことの辛さ、生きる儚さ
・バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ。
・夢は諦めなければ叶うなんて甘いもんじゃない。
・若者の成功、失敗をテンポ良く描いた作品
・おち着いた風景画 を眺めている感覚
・色あせない
・主人公の二人、ラストシーン、良かったな〜。
・喫茶店に通う彼はどういうことを象徴しているんだろう

 

アマゾンレビュー 3.9点

北野武.キッズリターン  228件のカスタマーレビュー

 

・青春ってこんな感じなのかもって思える良い映画です。
・主役の二人(金子賢 安藤政信)が素晴らしい!!
・やはり、たけしさんは才気溢れているなぁ。
・バイク事故で死にかけた北野武の集大成はまさにこの映画です。
・若い時にこの映画に会えて良かった
・この映画で監督が言いたいのは、ちゃんと学校に行ってちゃんと就職しなさい!
・先生から見放された高校生の二人の物語
・自転車の場面などはなかなか雰囲気があると 思いました。

 

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フィルマークスレビュー 3.7点

北野武.キッズリターン  22726件のカスタマーレビュー

 

・北野作品の中でNo1。
・安藤政信を世に出しただけで素晴らしい作品。
・初めて北野武の作品を見ましたが、もう凄くいい作品でした。
・出てくる喫茶店や町中華や居酒屋が全部好み。昭和!
・不良だけどアホっぽくて憎めない2人。
・あのシーンは映画的表現として優れている。
・久石譲の音楽でこの映画の雰囲気決まった感じ。
・忘れられない作品

 

個人的レビュー 4.5点

北野武.キッズリターン

 

映画冒頭の出だしの和音がラピュタ感満載。つまり久石譲感満載という感じで始まります。

 

そして、シンジとまーちゃんが再会するシーン。これはまーちゃんが街中でシンジを見かけて声を掛けるというシーンですが、普通なら画面にエキストラを入れ込むはずなんですが、道で声掛けているのに2人しかその道にはいない。この場面も好きです。2人しかいない不自然な感じを演出としてわざとやっていると勝手に思っています。

 

そして、高校生のシンジとまーちゃんが2人乗りして高架道路を上がっていって、逆にカメラは下がっていってタイトルクレジットのシーン。これも最高。

 

私は、タイトルクレジットの入れ方で映画の良し悪しがかなり変わってくると思う派なので、そういう意味では北野映画にハズレはないんです。すごくセンスのいい感じで入ってきます。

 

で、校庭で2人乗りして遊んでいるシーンは淀川長治がべた褒め。北野武監督自身、はじめからイメージに出てきた絵が校庭を2人乗りで遊んでいる不良2人を俯瞰で捉える絵。つまりとにかく、教室から引きで2人を撮りたかったらしい。

 

芸人ビートたけしの(くだらなさが面白い)という笑いも随所に散りばめられています。新車を燃やされてしまう先生のシーンは好きです。

 

そして漫才師を目指す2人はタカアンドトシの原型のようです。

 

そして、27分ごろ。ランニングするマサルと自転車に乗って追いかけるシンジを捉えるカットの撮り方が好きです。

 

主役2人の配役が最高です。喧嘩っ早く、でもボクシングの才能はないマサル役=金子賢。気は弱くおっとりしているが運動神経がよくボクシングの才能があるシンジ=安藤政信。

 

2人とも地でやっているのではと思うほどハマッている。やはり映画はこの主役の俳優のハマりっぷりが無ければ、いくら監督がどんなに名演出しようが、名脚本を書こうが、作品としてパッとしないものになるのである。と勝手に思う。

 

特に安藤政信のボクシングのシーンは本物のボクサーみたいで、ボクシングシーンの演出としては最高ではないでしょうか。変に安いドラマみたいなボクシングシーンを取って付けて成立するようなトーンの映画ではないんで。

 

そして、1:20ごろ。ヤクザで出世したマサルがボクシングジムに遊びに来て、会長からもう来ないでくれと言われて帰っていくシーン。
テンション高く、久しぶりにシンジに会いにきたマサルだったが、会長に言われて、すぐに気を落として帰っていく感じ。マサルの性格をすごくよく表している設定です。

 

で、映画の批評とは関係ないのですが、ジムの会長とトレーナーの会話、

 

「一度、シンジも怒鳴ってやらないといけないな」
「でも最近の若いやつは、昔みたいに怒鳴ったらみんな辞めちまいますよ」

 

この映画は20年以上前だが、20年以上前から、こういう世の中の風潮であったことを再確認。

 

そして、言わずもがな、ラストシーンのセリフ。

 

「まーちゃん、俺たち終わっちゃったのかな?」
「バカ野郎、まだ始まっちゃいねーよ」

 

映画史に残る名シーンというか、名ダイアログです。
このセリフがあるがゆえに、『キッズリターン』は永遠の青春映画の傑作になりました。

 

漫才師を目指した2人は、派手な成功ではないが、コツコツを自力を踏みあげながら階段を上がっていく。

 

マサルとシンジは、夢を掴もうとチャレンジするも、儚く夢破れる。

 

タクシードライバーの彼は、夢を抱くこともなく、消えていく。

 

夢を抱いた若者の人生のリアリティを、3組の描き方で表している。しかもハッピーエンドはなし。漫才師の2人もただの夢の途中。なんともシビアな作品なのである。

 

 

 

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